10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
 私は自分の長年の江夏爽太への苦しい片想いを終わらせる為に、軽い女のフリをして城ヶ崎冬馬に近づいた。私は自分と関係したと知れば、桜田未来は城ヶ崎桜だ冬馬と別れると思った。

 城ヶ崎冬馬がいくら遊び人でも、未来は遊びで近づけないとてつもなく面倒な女だ。城ヶ崎冬馬の本命が桜田未来なら、いくら爽太でも勝ち目がない。

 他のモデルの話から、城ヶ崎冬馬と体を関係を持つのは、本当に後腐れない軽い女だけだと悟った。城ヶ崎冬馬と関係があったことを自慢するモデルが、彼は重い女が嫌いだから軽い感じで誘ったらいけたと話していた。
(めちゃくちゃ重い女が本命だけどね⋯⋯)
 私は桜田未来の面倒さを思い出しながら心の中で毒ついた。


 私は爽太が桜田未来を忘れられず、苦しんでいるのをずっと見てきていた。私自身も爽太を忘れる為に様々な男と付き合ったが、その度に爽太への思いを強くして辛かった。

 決して振り向いてもらえず自分を狂わせる爽太への片想いも、理不尽だと分かりながら桜田未来を憎んでしまう気持ちも終わらせたい。
< 144 / 185 >

この作品をシェア

pagetop