10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
「副社長、本命の彼女できたんですよね。私はちゃんと理解してますよ。これからも、私で幾らでもストレス発散してくれて良いですよ。大切な彼女にはできない事も私は受け入れます。私、副社長が一人の女で満足できないの分かってますから」

 彼女は俺を全く理解できていない。俺を満足させられるのは一人の女だけだ。俺はもう未来しか欲しくない。

「俺は今、仕事以外で話しかけるなと言ったよな。今度家に来ることがあったら業界から追放するし、ストーカーとして警察に通報する!」
 俺は最後の警告とばかりにRINAを鋭い言葉を浴びせた。

「別に私は遊びでもストレス解消でも構わないんです! ただ、副社長に抱かれたいだけなの! そんなマジになるなんて副社長らしくありません!」
 RINAは捨て台詞を吐いて、蹄を返して逃げるように去っていった。

「らしくない俺に変わらなきゃいけないんだよ⋯⋯」
 思わず漏れた呟きは真理をついている。桜田未来が欲しいなら、俺は変わらなければならない。
 部屋に戻って、未来と過ごした時間に思いを馳せならがソファーで項垂れていると母からスマホにメッセージが届いた。
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