10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
「ここも城ヶ崎グループの高級ラインのホテルだ。城ヶ崎グループは核となるアパレル事業を始め、ホテル、レジャー施設、クルーズ事業と手広い。まさに日本、いや世界的な企業だ」
うっとりと呟いた小山内社長は私をエスコートしようと手を伸ばしてきた。
私はその手を振り払い自分でリムジンを降りる。
私はホテルのスイートルームに案内され、黒服に無理矢理ソファーに座らせられた。真っ白な革張りのソファーは趣味がよく、私は冬馬さんのモノトーンのオシャレな部屋を思い出していた。
「小山内社長。私を利用しようと思われているようですが、私は城ヶ崎冬馬さんとは何の関係もありません。それに、母のお葬式にも来なかった貴方を父親だと認める気もありません。もう、私に関わらないでください!」
「父子関係はDNA鑑定をすれば、認められると思うよ」
クスクス笑いながら言う小山内社長を、徹底的に糾弾してやろうと思った。
「父子関係? その前に認められるのは小山内社長のパワハラ、セクハラではないですか? 部下であった母を無理矢理、強姦し孕ませたのでしょう? 私は徹底的に追求しますよ。証拠は絶対に残っているはずです」