10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
3.記憶喪失!?
目を開けると真っ白な天井が見えた。
スーツ姿のすらっとした美しい青年が私を心配そうにみている。
「あっ、あのどちら様ですか?」
私の言葉に目の前の青年が慌てて、ナースコールを押した。優しそうな初老の白髪まじりの先生と仕事ができそうな看護師さんが駆けつけてくる。
先生と看護師さんの会話から察するに私は背中を刺されて2ヶ月もの間、意識が戻らなかったらしい。
「名前は言えるかな?」
「桜田未来です。すみません、私はどうして病院に? 今朝母が亡くなって、私がお葬式の準備をしなくちゃいけないんです。身内は私しかいないから⋯⋯」
私の言葉に医師と見知らぬ青年は困った顔をした。
「未来、大丈夫だから。お母さんの葬儀は滞りなく終わったよ」
私を宥めるように髪を撫でてくる青年の手の温かさに安心する。なんだか色々と私の世話をやいていてくれていたみたいなのに私は彼のことが思い出せない。
「すみません、貴方の事を忘れてしまったみたいなんです」
「俺は城ヶ崎冬馬、未来の恋人だよ」
「えっ? なんで、私にこんな素敵な恋人が?」
宝くじに当たるより可能性の低い状況に私は目を白黒させた。
スーツ姿のすらっとした美しい青年が私を心配そうにみている。
「あっ、あのどちら様ですか?」
私の言葉に目の前の青年が慌てて、ナースコールを押した。優しそうな初老の白髪まじりの先生と仕事ができそうな看護師さんが駆けつけてくる。
先生と看護師さんの会話から察するに私は背中を刺されて2ヶ月もの間、意識が戻らなかったらしい。
「名前は言えるかな?」
「桜田未来です。すみません、私はどうして病院に? 今朝母が亡くなって、私がお葬式の準備をしなくちゃいけないんです。身内は私しかいないから⋯⋯」
私の言葉に医師と見知らぬ青年は困った顔をした。
「未来、大丈夫だから。お母さんの葬儀は滞りなく終わったよ」
私を宥めるように髪を撫でてくる青年の手の温かさに安心する。なんだか色々と私の世話をやいていてくれていたみたいなのに私は彼のことが思い出せない。
「すみません、貴方の事を忘れてしまったみたいなんです」
「俺は城ヶ崎冬馬、未来の恋人だよ」
「えっ? なんで、私にこんな素敵な恋人が?」
宝くじに当たるより可能性の低い状況に私は目を白黒させた。