10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
「戻って来て欲しい」
 冬馬さんが私を強く抱き締める。ヘリポートは風が強くて雲を吹っ飛ばしたのか、満点の星空が広がっていた。眼下に望む街の明かりも宝石みたいに見えて、冬馬さんがキラキラして見えた。風が強くて寒さも感じるが、冬馬さんと接触している部分だけが熱を持っていた。


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