10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
30.私たちの未来
 私は無事に高卒認定試験に合格した。
 結婚式は半年後に行うらしい。
 今日も冬馬さんは私の作ったご飯を美味しく食べてくれて、今は二人で彼が買って来てくれたケーキを食べている。

「未来、高卒認定試験の合格おめでとう。来年度からどうしたいかは未来の思う通りにしたい」

 私は冬馬さんが以前、来年度からアメリカに行く予定だと言っていたのを思い出した。

「予備試験を受けて検事になっても、日本の大学に行っても、アメリカの大学に行ってもいいよ。どんな選択をしても隣で応援する」

 冬馬さんは全部私に合わせるから一緒にいて欲しいと言っていた。私が望んでいるのは、何でも合わせてくれる都合の良い男ではない。私は冬馬さんには自分の輝ける場所でやりたい事をして欲しい。私のやりたい事はアメリカでも叶えられる。

「私、冬馬さんの生まれた場所に行ってみたいです。来年度からアメリカに行きませんか?」
「俺の生まれた場所に行ってみたい? 可愛すぎる」
 冬馬さんは私の返事に悶絶して勢いよく抱きつこうとしてきて手を引っ込めた。
 私はその手を引っ張って、自分を抱きしめさせる。
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