10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました

「冬馬さんはそんな意味の分からない下品なことはしません。変な冗談言って笑わせないでください」

 私は笑いながら冬馬さんを枕で叩く。
 そして、彼を尋問して秘密を聞き出す必要は無いことに気がついた。失った記憶は戻ってないけれど、今から沢山の思い出を二人で作ることができる。

「私も秘密があるので、冬馬さんも秘密があっても良いですよ」
 私は江夏君にキスをされた事は一生黙っておくつもりだ。

「未来の秘密って何?」
 私の事を徹底的に調べたという探究心旺盛な冬馬さんは「秘密」と聞いて目を見開く。

「私の秘密は墓まで持っていきます」
「そんな秘密の隠し方をされると気になって仕方ない。絶対に吐かしてやる!」
 彼は笑いながら私をくすぐると、そっと引き寄せてキスをした。

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