10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
秘書の柳田が感動して涙ぐんだような声をあげる。
俺は割とワーカホリックな上に他人の仕事を信用しないところがあり、必要以上に何でも自分が確認しなきゃ気が済まなかった。忙しさで溜まったストレスを女を使って発散していたという自覚がある。でも、今は部下に仕事を任せて未来を堪能したい。
電話をしている間に、美味しそうな料理が食卓に並んでいた。
「未来は本当に手際が良いな」
「私、家事くらいしかこの10年やって来てないので⋯⋯」
悲しそうな顔で未来が呟く。
昔の嫌な因縁の相手と出会い、嫌な記憶が蘇ったのだろう。
2人とも俺が彼女の視界から消すから問題ない。
「サラダのドレッシング、手作りだよね。レモンが切り刻んだやつが入っていて爽やかで美味しい」
「苦手な味じゃなかったのなら、良かったです。苦手な食べ物とか好きな食べ物あったら教えてください」
彼女が初めて俺について聞いてくれた。
「好きな食べ物は未来かな」
「私は食べ物じゃないです」
甘い雰囲気を作りたくて言った言葉は困ったように返された。
「このハンバーグのソースも美味しい!」
俺は割とワーカホリックな上に他人の仕事を信用しないところがあり、必要以上に何でも自分が確認しなきゃ気が済まなかった。忙しさで溜まったストレスを女を使って発散していたという自覚がある。でも、今は部下に仕事を任せて未来を堪能したい。
電話をしている間に、美味しそうな料理が食卓に並んでいた。
「未来は本当に手際が良いな」
「私、家事くらいしかこの10年やって来てないので⋯⋯」
悲しそうな顔で未来が呟く。
昔の嫌な因縁の相手と出会い、嫌な記憶が蘇ったのだろう。
2人とも俺が彼女の視界から消すから問題ない。
「サラダのドレッシング、手作りだよね。レモンが切り刻んだやつが入っていて爽やかで美味しい」
「苦手な味じゃなかったのなら、良かったです。苦手な食べ物とか好きな食べ物あったら教えてください」
彼女が初めて俺について聞いてくれた。
「好きな食べ物は未来かな」
「私は食べ物じゃないです」
甘い雰囲気を作りたくて言った言葉は困ったように返された。
「このハンバーグのソースも美味しい!」