10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
9.結婚する気ある?(冬馬視点)
「冬馬さん、私、もう怪我が治っているので自分で歩けますよ。食事の続きをしましょう」

 かなりいいムードだったはずなのに、未来は既に冷静になっていた。
 食事の続きじゃなくて、ラブシーンの続きがしたかったが我慢する。
 おそらく結婚まで我慢できるのは、一生分の女を抱いてきた俺くらいだと自分を慰めた。
 
 席につくと、彼女はこれからの人生計画を語り出した。

「高卒認定試験を受けようと思ってます」
「受かったら、春から大学に通うのはどうかな?」
 俺は親がなんと言おうと、彼女と結婚するつもりだ。俺の妻になるとパーティーやら奥様会に出席する必要がある。そこでは当然学歴マウントをとってくる人間がいるから、未来が嫌な思いをしない為にも大学は卒業しておいたほうが良いと思った。彼女は敏腕社長と才女の子で地頭は良いだろうから受験は問題ないだろう。

「大学ですか? お金が掛かるから考えていなかったです」
「学費なんて俺が出すよ。できれば女子大にして欲しいかな。インカレとかも入らないで欲しい」
 自分がこんな気持ちの悪い束縛男だとは思わなかった。自分で言っていて彼女に引かれないか心配になる。

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