10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
「ご馳走様。今日も、すごく美味しかった。片付けは俺がやるよ。この後、どこか行きたいところある? ドライブとかネズミーランドとか⋯⋯」
 
 カシャン。
 お皿が落ちる音がする。
「すみません。冬馬さん⋯⋯私⋯⋯」

 ゆっくりと振り向いた彼女が、割れた皿を拾おうとする。
 明らかに目が虚ろで先程の溌剌とした感じがない。

「割れた皿なんて俺が片付けるから!」
 そう言って彼女に手を伸ばそうとした瞬間、彼女は倒れて意識を手放した。
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