10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
13.今更の告白
今日は冬馬さんのご両親とお会いする日だ。
彼の仕事が忙しいので、赤坂の料亭に現地集合になる。
彼と一緒に選んだ顔合わせ用のトランキルブルーのシャツワンピースを着て鏡で自分の全身を確認する。
「やっぱり、身分不相応な感じが否めないな」
明らかに質の良い高級感のある服に緊張感が高まる。
ネットで調べて記憶した料亭での立ち居振るまいのマナーを頭の中でシミュレーションした。
相変わらず私の脳はスーパーコンビューターのような状態なのに、冬馬さんのことが全く思い出せない。
待ち合わせの18時まで、1時間早いけれど落ち着かなくて私は家を出た。
エレベーターを降りたところで、会社から帰宅しただろうスーツ姿の江夏爽太に出会した。心なしか疲れたような顔をしている。彼もこのマンションの住人でこれからも頻繁に顔を合わせるかと思うと嫌気がさした。
私が軽く会釈して去ろうとすると、腕を掴まれる。
「桜田さん待って! その、俺、謝りたくて⋯⋯中学の時に桜田さんがイジメられているの見て助けてあげられなかったこと⋯⋯」
彼の仕事が忙しいので、赤坂の料亭に現地集合になる。
彼と一緒に選んだ顔合わせ用のトランキルブルーのシャツワンピースを着て鏡で自分の全身を確認する。
「やっぱり、身分不相応な感じが否めないな」
明らかに質の良い高級感のある服に緊張感が高まる。
ネットで調べて記憶した料亭での立ち居振るまいのマナーを頭の中でシミュレーションした。
相変わらず私の脳はスーパーコンビューターのような状態なのに、冬馬さんのことが全く思い出せない。
待ち合わせの18時まで、1時間早いけれど落ち着かなくて私は家を出た。
エレベーターを降りたところで、会社から帰宅しただろうスーツ姿の江夏爽太に出会した。心なしか疲れたような顔をしている。彼もこのマンションの住人でこれからも頻繁に顔を合わせるかと思うと嫌気がさした。
私が軽く会釈して去ろうとすると、腕を掴まれる。
「桜田さん待って! その、俺、謝りたくて⋯⋯中学の時に桜田さんがイジメられているの見て助けてあげられなかったこと⋯⋯」