10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
15.恋なんて穢らわしいと思ってた
見知らぬ男に刺されたと思った瞬間、全く痛みを感じなかった。
私を守るような形で背中を刺されたのは江夏君だった。
「江夏君、ちょっと、江夏君!」
「大丈夫、そんな顔しないで、ちょっと脇を擦った程度だから。桜田さんは怪我はない?」
私を安心させるように江夏君が微笑む。
私に襲い掛かろうとした男は気がつけば周辺の人に確保されていた。
「救急車を呼びました」
赤ちゃんを抱っこ紐で抱っこした30代くらいの女性に声を掛けられた。
「あ、ありがとうございます」
小さな子も生活するような空間で、恐ろしい事件が起こったことが信じられない。
彼女にお礼を言っていると、江夏君が私にもたれ掛かってくる。
お腹の辺りが真っ赤に染まっていて絵の具のように真っ赤な血が地面に広がった。彼の虚な瞳から意識が朦朧としてきているのが分かった。
(脇腹を擦った程度じゃないじゃない⋯⋯)
救急車に同乗させて貰い病院に到着する。
「意識レベルが低下しているので危険な状態です。念の為、ご家族に連絡をお願いします」
「はっ、はい」
私を守るような形で背中を刺されたのは江夏君だった。
「江夏君、ちょっと、江夏君!」
「大丈夫、そんな顔しないで、ちょっと脇を擦った程度だから。桜田さんは怪我はない?」
私を安心させるように江夏君が微笑む。
私に襲い掛かろうとした男は気がつけば周辺の人に確保されていた。
「救急車を呼びました」
赤ちゃんを抱っこ紐で抱っこした30代くらいの女性に声を掛けられた。
「あ、ありがとうございます」
小さな子も生活するような空間で、恐ろしい事件が起こったことが信じられない。
彼女にお礼を言っていると、江夏君が私にもたれ掛かってくる。
お腹の辺りが真っ赤に染まっていて絵の具のように真っ赤な血が地面に広がった。彼の虚な瞳から意識が朦朧としてきているのが分かった。
(脇腹を擦った程度じゃないじゃない⋯⋯)
救急車に同乗させて貰い病院に到着する。
「意識レベルが低下しているので危険な状態です。念の為、ご家族に連絡をお願いします」
「はっ、はい」