10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
「俺は相手が桜田さんだから守ろうとしただけで、他の人だったら守ってないよ。ずっと、気になってたんだけど、どうして俺じゃダメだったの?」
「私は知っていると思うけれど、不倫の末にできた子じゃない? 恋みたいな感情が自分勝手で穢らわしい感情のように感じていて⋯⋯江夏君じゃなくて、私がダメだったの⋯⋯」
なぜ、こんな昔のことを聞かれているのか分からない。
あの時のことは思い出したくもないが、私のせいで怪我した彼の質問には誠実に答えるべきだろう。
「それなのに、どうして城ヶ崎冬馬さんとは付き合ったの?」
江夏君の質問に答えられなかった。
私も記憶のない時に彼と付き合い始めてるのできっかけは分からない。
それでも、自分が冬馬さんの恋人だと聞いた時は心に花が咲いたのかというくらい嬉しかった。母を失い天涯孤独で世界に一人ぼっちになった時に現れた太陽のような人の好意に縋った。
「ごめん、私ちょっと席を外すね⋯⋯」
冬馬さんが病院に来ると言っていたのを思い出して、私は受付に急いだ。
受付には行列ができていて、私は後ろに回って順番を待った。
「私は知っていると思うけれど、不倫の末にできた子じゃない? 恋みたいな感情が自分勝手で穢らわしい感情のように感じていて⋯⋯江夏君じゃなくて、私がダメだったの⋯⋯」
なぜ、こんな昔のことを聞かれているのか分からない。
あの時のことは思い出したくもないが、私のせいで怪我した彼の質問には誠実に答えるべきだろう。
「それなのに、どうして城ヶ崎冬馬さんとは付き合ったの?」
江夏君の質問に答えられなかった。
私も記憶のない時に彼と付き合い始めてるのできっかけは分からない。
それでも、自分が冬馬さんの恋人だと聞いた時は心に花が咲いたのかというくらい嬉しかった。母を失い天涯孤独で世界に一人ぼっちになった時に現れた太陽のような人の好意に縋った。
「ごめん、私ちょっと席を外すね⋯⋯」
冬馬さんが病院に来ると言っていたのを思い出して、私は受付に急いだ。
受付には行列ができていて、私は後ろに回って順番を待った。