10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
冬馬さんや、彼のご両親にも大切な席に現れないという失礼な真似をした。
江夏君に対しても偉そうに説教をしてしまった。
何もない私が本当に図々しいにも程がある。
苦しくて堪らない気持ちになっていると、やっと受付の人の前まで来た。
「私、桜田未来と申します。お手数かけますが、城ヶ崎冬馬という方が尋ねてきたら江夏爽太の病室にお伝え頂けますか?」
一瞬、受付の方が戸惑った顔をした。
「すみません、実はスマホを無くしてしまって彼と連絡が取れないんです⋯⋯」
「分かりました。城ヶ崎様がいらしたらご案内するので大丈夫ですよ」
受付の方の親切な言葉に私は深くお辞儀をし、江夏君の病室に戻る。
病室に戻ると江夏君がスマホをいじっていた。
私は邪魔をしないようにそっとパイプ椅子に座る。
「やっぱり、2週間後は北海道に行かなくちゃだー!」
「えっ? 北海道? なんで?」
私は江夏君が項垂れながら言った言葉に驚いた。
「札幌支社に異動することになったんだ」
「そうなんだ⋯⋯入院する怪我までしてるのに、そんなに早く異動しなきゃいけないなんて大変なんだね」
江夏君に対しても偉そうに説教をしてしまった。
何もない私が本当に図々しいにも程がある。
苦しくて堪らない気持ちになっていると、やっと受付の人の前まで来た。
「私、桜田未来と申します。お手数かけますが、城ヶ崎冬馬という方が尋ねてきたら江夏爽太の病室にお伝え頂けますか?」
一瞬、受付の方が戸惑った顔をした。
「すみません、実はスマホを無くしてしまって彼と連絡が取れないんです⋯⋯」
「分かりました。城ヶ崎様がいらしたらご案内するので大丈夫ですよ」
受付の方の親切な言葉に私は深くお辞儀をし、江夏君の病室に戻る。
病室に戻ると江夏君がスマホをいじっていた。
私は邪魔をしないようにそっとパイプ椅子に座る。
「やっぱり、2週間後は北海道に行かなくちゃだー!」
「えっ? 北海道? なんで?」
私は江夏君が項垂れながら言った言葉に驚いた。
「札幌支社に異動することになったんだ」
「そうなんだ⋯⋯入院する怪我までしてるのに、そんなに早く異動しなきゃいけないなんて大変なんだね」