🕊 平和の子 、ミール 🕊 【新編集版】
何も頼んでいないのに『ザクースカ』が出てきた。
前菜の盛り合わせだ。
久し振りの予約が入って喜んでいたら急にキャンセルされて困っていたのだという。
だからタダでいいという。
そうもいかないと思ったが、払おうとしても受け取らないのはわかっていたので、素直に甘えることにした。
ビールは軽い度数のものにした。
ロシア産のペールビールだ。
ちょっと軽めの味わいが飲みやすく、ザクースカとの相性もばっちりだった。
店主と飲み交わしながらロシア語で話していると、ふとナターシャと初めて言葉を交わした時のことを思い出した。
あの日勇気を出して話しかけると、彼女は目を丸くして「こんなに上手にロシア語を話す日本人に初めて会いました」と言ったのだ。
それが切っ掛けとなってこの店で食事をするようになり、関係が深まっていった。
正にロシア語が取り持つ縁だった。
「ロシア語に乾杯」
思わず声が出て店主のグラスにカチンと合わせた。
店主は、ん? というように目を見開いたが、なんでもないというふうに首を振った時、いきなり言葉が降りてきた。
それは、探し求めていたハンドルネームだった。
前菜の盛り合わせだ。
久し振りの予約が入って喜んでいたら急にキャンセルされて困っていたのだという。
だからタダでいいという。
そうもいかないと思ったが、払おうとしても受け取らないのはわかっていたので、素直に甘えることにした。
ビールは軽い度数のものにした。
ロシア産のペールビールだ。
ちょっと軽めの味わいが飲みやすく、ザクースカとの相性もばっちりだった。
店主と飲み交わしながらロシア語で話していると、ふとナターシャと初めて言葉を交わした時のことを思い出した。
あの日勇気を出して話しかけると、彼女は目を丸くして「こんなに上手にロシア語を話す日本人に初めて会いました」と言ったのだ。
それが切っ掛けとなってこの店で食事をするようになり、関係が深まっていった。
正にロシア語が取り持つ縁だった。
「ロシア語に乾杯」
思わず声が出て店主のグラスにカチンと合わせた。
店主は、ん? というように目を見開いたが、なんでもないというふうに首を振った時、いきなり言葉が降りてきた。
それは、探し求めていたハンドルネームだった。