🕊 平和の子 、ミール 🕊 【新編集版】
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 芯賀も夢を見ていた。
 自らが総理になった夢で、新旧ロシアの地図を見つめながら感慨にふけっていた。
 そこには従来から存続する21の共和国と新たに生まれた3つの広域共和国が色分けされていたが、それらは連邦ではなくそれぞれ独立した国家だった。
 ロシアは24の共和国に分割されたのだ。
 
 それだけではなかった。
 クリミア半島とドンバス地方はウクライナに、南オセチアとアブハジアはジョージアに、沿ドニエストルはモルドバに返還された。
 この3か国に駐留する旧ロシア軍はいなくなったのだ。
 加えて、旧ロシアである24の共和国にも軍隊は存在しなくなった。
 二度と侵略を起こさせないために解体されたのだ。
 その上、旧KGBにもメスを入れられた。
 連邦保安庁(FSB)対外情報庁(SVR)連邦警護庁(FSO)は廃止になり、その幹部職員は軍幹部と共に断罪された。
 と共に民間軍事会社も解散させられ、非人道的な武闘派組織は消滅した。

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