異世界で言葉が通じないなんてハードすぎます!
『ルイが睨んでるよ』
 そろそろやめたら? とディーが肩をすくめる。
 
『隊長は父親ポジションだし』
 ガイルはミサキを解放するとクマクマ~と逃げていく。

『俺らでも良いはず!』
『真剣勝負!』
 と言いながらもルイスを見て逃げていく騎士達。

『父親なの?』
 ディーが笑いながら振り返るとルイスは苦笑しながら頭を掻いた。

「えっ?」
「は?」
 まるで教会で会った時のような共鳴がミサキとルイスを駆け抜ける。

『まさか』
 ルイスは急いで洞窟の入口へ走った。

『ルイ? どうした?』
 慌てて追いかけるディー。

 地響きと唸り声が聞こえる。
 大きな咆哮にミサキは耳を塞いだ。

 どうしよう。
 身体の底から震えが止まらない。
 こんないきなり来るものなの?
 準備して戦いに行くんじゃないの?
 ドラゴンの方から来るなんて。

 どうしよう、どうしよう。

 震えながら洞窟の入り口の方へ向かうと空に大きなドラゴンが見えた。
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