異世界で言葉が通じないなんてハードすぎます!
「ガイル、ドラゴンの方に行くぞ」
 ビルとガイルは倒れたドラゴンの方へ合流。
 ディーにミサキの様子を伝えると、騎士達は全員目を伏せた。
 
 ドラゴンの爪や逆鱗など素材を剥ぎ取り、尻尾を落とす。
 翼も鞄や服になる高級素材だ。
 暗くなってきたので火を焚き、食事を作るグループと素材を取るグループに分かれる。
 食事が出来上がる頃には素材もほぼ取り終わり、洞窟へ持ち帰った。

 騎士達は心配そうにミサキを見つめる。
 自分達の怪我はミサキが全て治してくれた。
 肩も足も全部。
 肉がえぐられ痛かったが全部治してくれたのだ。

 それなのにミサキだけ傷に苦しんでいる。

 早く目を覚ましてくれ。
 いつもの笑顔が見たい。

 騎士達はドラゴンを倒した事に浮かれる事なくミサキの回復を祈った。

「ルイ、交代するから眠れ」
「ディー……」
「ルイのせいじゃない」
 ギュッと口を継ぐんでしまったルイスの肩をポンと叩く。

「ドラゴンの気迫に飲まれて冷静さを欠いた」
「誰だってビビるさ」
「勝てる気がしなかった」
「……そうだな。でも最後は良かったよ」
「怪我をした後だ」
 もっと早く気持ちを立て直していればミサキは怪我をしなかったとルイスは手で顔を覆った。
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