異世界で言葉が通じないなんてハードすぎます!
 ミサキが怪我をしてから11日。
 アンベルの街に到着する頃にはミサキは歩けるようになった。

『隊長、ズルいっす』
『俺もミサキに食べさせたい!』
『ほらほら、みんなが食べ物を出すとミサキが困るよ』
 ミサキの前にはたくさんのスプーンとフォーク。

 肉、野菜、スープ、フルーツ。
 よりどりみどりだ。

「ルクク、ノー」
 悪戯で苦いルククの実を出したクレイグにミサキが文句を言うと、騎士達はドッと笑った。

「ミサキ、これ!」
「おいしい」
 少し柔らかめの甘いりんごだ。
 
 あまり噛まなくていいので疲れない。
 しっかり噛んでいると肩のあたりが引き攣るような感じがあるので、柔らかい食べ物は嬉しい。
 
「肉食え」
 フルーツばかりではダメだと言うルイス。

『やっぱり父親じゃん』
 ガイルが突っ込むとまた騎士達が笑った。
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