異世界で言葉が通じないなんてハードすぎます!
 部屋に戻るとミサキは眠っていた。
 ルイスが買ったシルバーウルフのぬいぐるみを抱きしめながら。

「明日、王都に向かって出発する」
 ミサキは嫌がるかもしれないが担架で移動するというディーにルイスは頷いた。

「今日はちゃんと寝ろ」
「あぁ」
 思い詰めた表情でミサキの寝顔を見つめるルイス。
 ディーは騎士達に明日の出発を連絡するため部屋を出て行った。

 ルイスはミサキの髪を撫で、前髪を横に退ける。

 ……求婚したら気まずくなるだろうか?
 ドラゴンに怯むことなく聖女の務めを果たす姿も、一生懸命言葉を覚える姿も、騎士達と楽しそうに笑う姿も全部好きだ。

 一生ミサキの側にいたいのだと伝えたら迷惑だろうか?
 レオナルドが良いと言われるだろうが、想いを告げるくらいは許されるだろうか?

 怪我の責任を取れと言われるなら喜んで取る。
 そんな理由でミサキが手に入るなら一生かけて償う。

 レオナルドの隣で笑うミサキの専属騎士でもいい。
 側にいたい。
 居ても良いと言って欲しい。

「ミサキ……好きだ」
 ルイスは眠るミサキの隣で想いを告げた。
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