異世界で言葉が通じないなんてハードすぎます!

40. イケメン

 ふかふかベッド!
 馬車に乗っていたはずなのに、知らないうちにふかふかベッドで寝ていたミサキは驚いて顔を上げた。

 知らない部屋。
 綺麗な壁紙、本棚、ベッド。

 キョロキョロと見回したがルイスは居なかった。

 左手で身体を支えてなんとか起き上がる。
 ベッドから降りようとすると、下で眠っているルイスに驚いた。

 な、なんでベッドの下?
 どういうこと?
 ディーは?

 起こさないようにベッドから降りたつもりだったが、青い綺麗な眼がゆっくり開く。

「おはよう、ミサキ」
「お、おは、おはよう、ルイス」
 ラフな姿のルイスは初めて見るが、はだけた服がセクシーすぎる。
 
 これは犯罪レベル!

 教会で見たキラキラ服、ドラゴン討伐中の黒い服以外は新鮮すぎて目のやり場に困る。
 ミサキは、ルイスの色気に目を泳がせた。

「……一緒、OK?」
 一緒の部屋でいいか? って事だろうか?
 よくわからないままミサキが頷くと、ルイスは嬉しそうに青い眼を細めて微笑んだ。

 いやー、待って!
 ずっと気づいていたけれど、気づかないふりをしていたけれど、ルイスってイケメンだよね?

 最初はずっと怖い顔をしていて眉間にシワを寄せていたけれど、その時から整った顔だなとは思っていた。
 途中から笑ってくれるようになって、やっぱり整ってるなって気づいていたけれど。

 背も高くて、騎士だから逞しくて。
 優しくて、面倒見が良くて、イケメン。
 ズルいでしょ。

 ルイスはミサキの髪を櫛で梳き、シュシュで結んでくれる。
 慣れた手つきでボタンを外し、服の着替えも手伝ってくれる。

 いや、サラシを巻いているっていっても恥ずかしいからね。
 
 っていうか、慣れているよね。
 こんなイケメン、女性達が放っておかないか。

 テントよりも部屋の中で着替えさせてもらう方がなぜか恥ずかしい。
 真っ赤な顔になりながら着替えを手伝ってもらい、靴下まで履かせてもらった。
 
 ミサキの着替えが終わると、ルイスは豪快に上のシャツを脱いだ。

 上半身が逞しい。
 見てはいけない、見てはいけない!
 でも見たい!
 ミサキが目のやり場に困っているうちに、ルイスの着替えはあっさり終わる。
 
 腰を抱かれて部屋から出ると、下の部屋から騎士達の笑い声が聞こえた。
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