異世界で言葉が通じないなんてハードすぎます!

42. 王宮

 2日後、別邸にドレスを持って訪れた侍女長ナタリーと騎士ニックにミサキは目を潤ませた。

「ごめんなさい、ごめんなさい」
 勝手にいなくなってごめんなさいと謝るミサキをナタリーはそっと抱きしめる。

『ご無事でよかったです』
 母に抱きしめられたような安堵感にミサキが切なそうに微笑む。
 目が合った騎士ニックも優しく微笑んでくれた。

「さぁ、着替えです!」
「え? 待って、ナタリー。それ」
 ニックが持たされているのは、レオナルドとデートしたときに着ていた豪華なドレス。

 え? それを着るの?
 何で? いや、待って。
 これを着て、レオナルドに謝りに行くとかそういうオチ?

「き、着ない」
「ダメです」
 首を横に振るミサキを騎士達が笑う。

「ル、ルイス」
 助けてとルイスを見ると、ルイスは「着る」と答えた。

 なんでー!?

 ルイスに深々とお辞儀をするナタリーとニック。
 まさかの顔見知り!?

 助けてくれる人が誰もいない状況の中、ミサキはルイスの部屋へ連行された。
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