異世界で言葉が通じないなんてハードすぎます!
『こんな傷が……こんな危険だったなんて……』
 ミサキの傷を見たナタリーは目を潤ませた。

 シャワーを浴び、薬を塗りサラシを巻いてドレスに着替える。
 うわー。
 ドレスだけでも重くて辛かったのに、背中と肩が痛くて無理!
 歩けない!
 いやいや、無理!

「ナタリー、ノー。ドレス、ノー」
 左手で右肩に触れると、痛いのだとナタリーは察してくれた。
 急いで王宮で着ていたワンピースに変えてくれる。

『ドレスは?』
『痛いとおっしゃって、着られませんでした』
 ディーに質問されたナタリーは痛くて無理だったと説明した。

 待ってー!
 ルイス、教会で着ていたキラキラ服!
 ディーもあんなようなのを着ていた気がする!

 ということは、今日行くのは教会?
 えー、マズいよ。
 追い出されたんだもん。

「ルイス、えっと、行く?」
 手でお祈りポーズを取るミサキ。
 ルイスは首を横に振った。

『王宮』
 知らない単語にミサキは首を傾げる。

 馬車に乗り王宮へ。
 馬車はまたルイスの膝の上だ。
 前はこのまま寝ちゃったんだよね。
 チラッとルイスを見ると、綺麗な青い眼と目が合ってしまった。

「大丈夫か?」
 そっと背中を触ってくれるルイスにミサキは大丈夫だと微笑んだ。
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