異世界で言葉が通じないなんてハードすぎます!
 ルイスに支えられながら建物の中へ。
 逃げ出すときに通った扉ではなく、もっと大きくて豪華な扉。
 赤絨毯が敷かれた廊下を豪華な装飾品と大勢の人達の拍手に囲まれながら進む。

 大きな扉が開かれると、中にも大勢の人たち。

 うわー、あの人って国王陛下?
 漫画でよく見る謁見の間ってやつ?

 国王陛下は白髭のお爺さんだ。
 でも奥さん3人?
 えー、もしかしてこの世界は奥さん何人でもOKな世界?

 すぐ下の段には、男性と女性が2人。
 そして金髪キラキラ王子のレオナルドの姿。

 ミサキの身体がビクッと反応する。
 ルイスはミサキがレオナルドに気づいたことを確認し、切なそうに微笑んだ。

 じゃぁ、おじいさんが国王陛下で、その下のおじさんが次の国王で、その息子がレオナルドって事?
 
 あの人はディーのお父さん。
 わー、眼鏡もいる。怒っているかな?
 ごめんなさい、ごめんなさい。
 逃げてごめんなさい。

 ミサキは心の中で謝罪しながらルイスに連れられ赤い絨毯の上を歩いた。
 騎士達がドラゴンの素材を献上し、後へ下がると盛大な拍手が止む。

『ルイス、此度はドラゴン討伐ご苦労だった』
『ただいま戻りました』
 ルイスがお辞儀をすると騎士達も合わせてお辞儀をする。
 再び盛大な拍手が鳴り響き、ミサキはどうしたらよいのかわからず目を泳がせた。
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