異世界で言葉が通じないなんてハードすぎます!

43. ちょっと待った?

 ルイスやディーが何かを話しているが聞き取れない。

『何か希望の褒美があれば言いなさい』
『彼らと聖女にはそれぞれが望むものを。私は聖女に求婚する許可を褒美として賜りたく』
『なっ! ルイ! それは』
 レオナルドの言葉と、ざわつく人々に驚いたミサキの身体がビクッと動く。

『許可しよう』
『……そんな』
 国王陛下の言葉にレオナルドは目を見開いた。

『すまない。レオの想い人だと知っていても、ミサキに想いを伝えたいんだ』
『レオナルド、お前も伝えたいのなら一緒に伝えるがいい。他の騎士達も。褒美とは別で認めよう』
 国王陛下の言葉にグッと拳を握るレオナルド。
 階段を数段降りると、ミサキの前へと歩いた。

 そっと離されるルイスの手。
 何が起こっているのかわからないミサキはルイスとレオナルドの顔を交互に見た。

 ……あれ?
 やっぱり似ている?
 金髪・青眼が全部同じに見える喪女病ではなさそうだ。

 何でルイスの手が離されたの?
 何でレオナルドが歩いてくるの?

 レオナルドはミサキの前でスッと跪くと、左手を握った。

『ミサキ、おかえり。無事でよかった。……好きだ。ミサキが好きなんだ。どうか、俺の妻に』
「……レオナルド」
 やっぱりカッコいいイケメンキラキラ王子。
 手を握られ、見つめられると心臓がドクンと鳴る。

 そう! この笑顔!
 悩殺されるこの笑顔!
 これで惚れて、落ち込んで飛び出したのだ。
 ミサキは切なそうな顔で微笑んだ。
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