異世界で言葉が通じないなんてハードすぎます!
 レオナルドは自分を指差し「大きい」、ルイスを指差し「小さい」と言った。

 背はルイスの方が大きい。
 でもレオナルドの方が大きい?

 隣同士の部屋、レオナルドが大きい?

『え? 兄弟?』
 ウソでしょ?
 気づいたミサキをレオナルドとルイスが笑う。

 補佐官チャールズは『もっと早く教えておいてください』と溜息をついた。

 えぇ~?
 レオナルドを選んだら王宮で、ルイスを選んだらあの家だと思ったのに違ったんだ。

 ルイスと一緒にいたいと思って手を取ったのに。

『あれ? 落ち込んでる』
 ディーがミサキの様子を見て首を傾げる。

『なんで落ち込む!』
『王宮がキライ?』
 逃げ出したくらいだからキライかもと言うレオナルドにルイスは困った顔をした。

「ミサキ?」
 どうしたい? とミサキの顔を覗き込むルイス。
 ミサキはルイスの服を左手で捕まえた。

『なんか……無茶苦茶可愛いんだけど。何で俺の嫁じゃないわけ?』
 レオナルドが呟くと『聖剣を持っていないからでしょう』と補佐官チャールズはあっさり答えた。

「……一緒」
『あぁ、一緒の部屋がいいのか』
『おい、ルイ。一緒の部屋とは?』
『怒るなレオ! テントは限りがあるだろう!』
 お前の嫁だって言われたから騎士達から守ったんだと言い訳するルイス。

『やっぱり聖剣か』
 がっくり項垂れるレオナルドにミサキは首を傾げた。
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