異世界で言葉が通じないなんてハードすぎます!

16. 共鳴

 ここへ来て四日目。
 今日も朝からたくさんの人が並んでくれた。

 怪我をしていない人も並んでくれるようになり、握手をする人も出始めた。
 やっぱりアイドルの握手会みたいな感じ?

 行列が長くなってしまうので、神官が二人つくようになった。
 一人はこれ以上並べませんと断る人。
 もう一人は頂いたものを裏へ運んだり、間で休憩を挟んでくれるマネージャーみたいな感じの人だ。
 
 目に見える傷の人は少ないが、みんな喜んで帰ってくれるので痛みがなくなっていると良いなと思う。

 午後は礼拝堂の掃除。
 何人もの神官が止めようとするが、ミサキはやりたいとアピールした。

 邪魔かなと思ったが、夕食の支度をするリリルとメイリンを少しだけ手伝った。
 皮むきや出来上がった料理を運ぶ程度だけれど。
 最初は戸惑っていた二人だったが、ちょっとだけ打ち解けたと思う。

 五日目の朝食は少し豪華になった。
 午前は礼拝、午後は掃除。
 うん。なんとなくここでやっていけそうだ。

「すごい馬車」
 礼拝堂の前に一台の立派な馬車が停止する。
 真っ白な馬が二頭に豪華な装飾がついた馬車だ。

『エマ、聖女様を』
『は、はい、教皇様。奥へ戻ります』
『いや、壁際で待たせてくれ』
 エマはミサキを扉から離れさせ、壁際に立たせた。

『ここにいてください』
 手で床を指差し、ここに居てと指示をする。
 なんでここ?
 
 入口から入ってくる大きな男性。
 綺麗な金髪が扉の向こうで光を反射した。
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