異世界で言葉が通じないなんてハードすぎます!
 レオナルドのような王子っぽい服装をした男性は、金髪・青眼。
 レオナルドが物語の中で姫とダンスを踊る優雅な王子だとすると、この人はドラゴンを倒していそうな王子だ。

 絵本の王子?
 顔がなんとなくレオナルドに似ている気がするのは、海外のイケメンが全部同じ顔に見えてしまう喪女の病のせいだろうか?
 
 教皇様がお辞儀をすると、神官達が一斉にお辞儀をする。
 ミサキも慌てて壁際でお辞儀をした。 
 お辞儀を終え、顔を上げると偶然イケメンと目が合ってしまった。

 ドクンと高鳴る胸。
 身体の中から何かが沸き立つような、何かと共鳴するかのような不思議な感覚にミサキは目を見開いた。

『……なんだこの感覚は?』
 ドクンと高鳴る胸。
 壁際のあの少女と目が合った瞬間、剣が震えたような気がした。
 
『ルイス様?』
 教皇の横を通り過ぎ、一直線にミサキの方へ歩くルイスに周りがざわつく。

『ルイ?』
 ルイスの補佐ディーは何も言わずに少女の方へ歩いていくルイスを慌てて追いかけた。

 ルイスはミサキの真正面へ立つと教会の白いワンピース姿の小さなミサキを見下ろした。
 やはり剣が共鳴している。
 ルイスはそっと剣に触れながらミサキを見つめた。

『お前は何者だ?』
 眉間にシワを寄せるルイス。

 え? 怒っている?
 一人だけ部屋に残っているから?
 でも、エマがここに居てってジェスチャーしたもん!
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