異世界で言葉が通じないなんてハードすぎます!
 夜明け前、寒さで目が覚めたミサキはぼんやりと景色を見つめた。
 目が覚めても林の中。
 異世界でこんなに苦労するなら交通事故のまま死んでしまった方が楽だったのではないだろうか?
 漫画みたいにチートで溺愛でハッピーエンドでないなら異世界には魅力はないと思う。
 
 少しずつ明るくなってくる林の中は濡れた葉や枝が光り出した。

 綺麗だけれど、感動するほど心の余裕はないんだよね。
 小川の水を飲み、途中で見つけた変な実を食べたらお腹が痛くなった。

「最悪っ」
 お腹を押さえながらとりあえず歩くが、結局今日も林を抜ける事はできなかった。
 このまま餓死するか凍死するか。
 どちらにしてもつらいなとミサキは木にもたれながら溜息をついた。
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