異世界で言葉が通じないなんてハードすぎます!

20. 草原

 四日ぶりに林を抜けたと思ったのに。
 ミサキは目の前の何もない草原に絶句した。
 林を抜けたら街があって、どこかで働いて食べ物を手に入れようと思っていた。
 
 それなのに。
 目の前に広がるのは草原。

 餓死と凍死の次に干からびて死ぬが追加された気がする。
 ミサキは苦笑しながら草原を進んだ。

「……人がいる?」
 草原なのに煙が見えたミサキは首を傾げた。
 テント?
 人がいるってこと?
 助けてくれるだろうか?
 いい人だろうか?
 とにかくあそこまでがんばろうとミサキは意識が朦朧としたまま歩き続けた。
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