異世界で言葉が通じないなんてハードすぎます!
「街!」
 何もなかった草原の向こうに家が見え始め、ミサキは思わず声を出した。

 狭い道を進み、1軒の店の前へ着くとディーだけ入った。
 そのあと呼びに来たディーが手で大きな丸を作る。
 鍵を渡されたルイス、ガイル、クレイグ。
 
 ……宿?
 今日もルイスと同じ部屋?
 ベッドは4つ。
 あと2人来るのかな?

 部屋に入るとスッと手が離され、ルイスは部屋に荷物を置いた。

『ルイ、ここ三人でいい?』
 11人で4人部屋を3部屋。
 好きにしろとルイスが眉間にシワを寄せながら溜息をつくとディーが笑った。

『またそんな顔して』
『生まれつきだ』
「ミサキ、ここ」
 ルイスの隣のベッドを指差すとミサキは頷いた。

「水、きれい」
 シャワーで頭を洗う仕草をするとミサキの目が輝いた。

「シャワー!」
「うん、シャワー」
『シャワーはわかるのか』
 どういう単語のチョイスだと苦笑するルイス。

「テーブル、タオル、取る」
 言われたとおりにテーブルのタオルを取りディーに渡すミサキ。

『リュック、剣、置く』
 ミサキは首を横に振った。

『王宮にあった物はわかるんじゃないかな』
 タオルを手渡しながらディーが言うと、ルイスはなるほど。と肩をすくめた。
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