異世界で言葉が通じないなんてハードすぎます!
『という事で、シャワー連れて行って』
『は? お前が行け』
『俺やることいっぱい』
 暇でしょとディーが笑う。
 ルイスはタオルを見ながら舌打ちした。
 
「……行くぞ、シャワー」
 ルイスがベッドから立ち上がると、ミサキはルイスとディーを交互に見る。

 ディーにいってらっしゃいと手を振られたミサキは立ち上がりルイスについていった。

 良かった。
 男女別だ。
 当たり前かもしれないけれどホッとしてしまった。

「出る、ここ。OK?」
 ここに集合って事だよね。
 
 ミサキが頷くと女性用のシャワーの方にグイッと押される。
 早く行けって事?
 
 ミサキがシャワー室に入るまでルイスはその場で待っている。
 ミサキはルイスに軽く会釈するとシャワー室に入った。

 久しぶりのシャワーが嬉しい。
 
 王宮を出てから身体は拭いていたけれどシャワーは初めて。
 一週間くらい頭を洗っていなかったって事だ。

「……冷たっ!」
 そうだった。
 お湯は出ないんだった。
 でも嬉しい!

 ゴワゴワだった髪は3回洗ってやっとツヤツヤに。
 身体もサッパリしたし、汚れた足もきれいに洗えた。

 ドライヤーはないのでタオルで拭くだけ。
 肩にタオルをかけたまま待ち合わせの場所へ行くと、ルイスが溜息をついた。

『風邪をひく。ちゃんと拭け』
 ルイスは手に持っていたタオルでミサキの髪を拭く。
 わしゃわしゃと豪快に拭かれた髪はボサボサになってしまった。
 せっかく前髪まで整えたのに。

 ルイスと部屋に戻るとディーは何かを書いていた。
< 71 / 131 >

この作品をシェア

pagetop