異世界で言葉が通じないなんてハードすぎます!
『おかえり。まだ手が離せないから、ミサキの買い物よろしく』
『は? 俺がか? 流石に服はディーが行けよ』
『俺だってわからないさ』
 服3着以上、下着、靴、カバン、櫛かなとディーがメモに書きルイスに手渡す。

『櫛?』
『女の子だからね』
 本当は化粧品も欲しいかもしれないけれど。とディーは肩をすくめた。

 ルイスはチラッとミサキを見た後、溜息をつく。

『あ、そうそう。何か甘い物も食べさせてやってよ』
『尚更、ディーが行った方が……』
『俺は無理。今、王宮の報告書を書いてる』
 代わりに書く? と聞かれたルイスは苦笑した。

「ミサキ、街、行く」
 無愛想に手を差し伸べるルイス。

「街?」
「服、靴」
 ルイスが靴を指差す。

 買いに行こうって事?

「ない、お金」
 ミサキが首を横に振るとルイスはミサキの頭にポンと手を置いた。

『心配すんな』
 メモを持ち、いつものようにミサキを掴んで歩き出すルイス。

 ディーに手を振られながら部屋を出たミサキはルイスに連れられて狭い道を歩いた。
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