異世界で言葉が通じないなんてハードすぎます!
『北へ行くんだ。上着を頼む』
 店員のお姉さんにベージュの上着を渡されたミサキは、とりあえず羽織った。

『いいじゃない。可愛いわ』
 ミサキを鏡の前に連れて行き、上着を見せる。

 あ、普通に可愛い。
 東京で売っていても普通に買ったかもしれないコートだ。
 少し白っぽいベージュが可愛い。
 温かいけれど軽くて不思議。
 素材はなんだろう?

『あとは、プラスで下着を2セットと中の服を適当に』
 よくわからないうちにズボンも服も選ばれていく。
 ズボンは黒をもう一着、上は黄色、下着は色違いをお姉さんは選び、ルイスに見せた。

『もっとセクシーな方が良いわよね? この子はこんなの選んだけれど』
『いや、任せる』
 フイッと横を向くルイス。
 
 お姉さん! 下着をルイスに見せないで!
 真っ赤な顔で焦るミサキを店員のお姉さんは笑った。
 
『軽いカバンもくれ』
 着替えが入る大きさで丈夫なやつとルイスが指定する。

 お姉さんは茶色の斜めがけをミサキにかけた。

 軽い!
 え? なんで?
 皮っぽいのに、やる気のないトートバッグくらい軽い!

「OK?」
 ルイスに聞かれたミサキは頷いた。
< 74 / 131 >

この作品をシェア

pagetop