異世界で言葉が通じないなんてハードすぎます!
「めちゃくちゃ惚れてんじゃん」
 5日前の街で距離を置かないと。と悩んでいたくせに。

「明日さ、本屋に連れていくよ」
「本屋?」
「そ。絵本をね、見せようかと」
 ミサキはまだ我々がどこに向かっているのか知らない。
 水を戻すためにドラゴンを倒しに行くのだと知らないのだ。

 ここから先は寒くて過酷な場所。
 今までよりも動物も多く、何よりもドラゴンを見れば驚くだろう。
 ミサキの世界にドラゴンがいたかどうかはわからないけれど。
 そろそろ説明しなくてはならない。

「ドラゴンなんて怖いからイヤだと言われたらどうしよう」
 説得はルイの仕事ね。と笑うディー。

 ルイスは眠るミサキの顔を眺めながら、ベッドへ腰かけた。
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