異世界で言葉が通じないなんてハードすぎます!
『先にコートと手袋を買っておこうか』
「うん、可愛い」
『さすがだな、ディー』
 ディーが選んだコートはミサキが持っている服と合わせても違和感がない色合いのコート。
 
 このコートも、もし東京の店で見つけたら欲しくなってしまうようなデザインだった。
 シンプルだけれどウエストがキュッとできるようになっていたり、袖が折り返されていたり、さりげない所が可愛い。
 でも、想像以上に軽いのはなぜだろう?
 もっと重たくなりそうなのに。

「これも」
 手袋は皮製。
 なんの動物なのかは確認しないでおく。
 少し伸びて手にフィットする感じなので、温かそうだ。

 ルイスとディーのコートと手袋も購入し、次に行ったのはなぜか本屋だった。

「本?」
 首を傾げるミサキが連れていかれたのは絵本コーナー。
 通路が狭いので、ルイスは少し離れたところで待っていた。

 ディーが本を探し、本棚から1冊の本を取り出す。

 あ、またドラゴンと戦う絵だ。
 レオナルドに見せてもらった本とは絵が違うけれど、ドラゴンと剣を持った人の絵が表紙の絵本だ。
 絵はレオナルドと見た本の方がキレイだった。
 この絵本はドラゴンが怖い。

 ディーは絵本を開くとミサキの横でページを捲り始めた。
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