異世界で言葉が通じないなんてハードすぎます!
「水、ない」
 川の水がなく、枯れた野菜の前で困った顔をする人々の絵。
 王冠を付けた人に、光った女性が剣を差し出す。
 剣を持った男性と白い服の女性が山へ向かっていく絵になる。

 あれ? やっぱりレオナルドが見せてくれた絵本と同じ?

「OK?」
 ここまでOKか聞かれたミサキは頷いた。
 
 次は見開きページに大きなドラゴンの絵。

 やっぱりレオナルドの本と一緒だ。
 絵は違うけれど話は一緒っぽい。

 ということは、これはこの国のおとぎ話みたいな定番の絵本ってこと?

 ディーはミサキの顔を見た後、もう一度絵本をはじめから開いた。
 パラパラと捲り、剣を持った男性と白い服の女性が山へ向かっていく絵で止める。

「ミサキ」
 白い服の女性を指差したディーはミサキの顔を見た。
 
「え?」
 今から山へ行きますよってこと?

「ルイス」
 ディーは剣を持った男性のイラストを指差す。

「……え?」
 驚くミサキを確認した後、ディーは数ページ前に戻る。

 光った女性が剣を差し出す場面だ。
 剣の絵を指差すと、ディーはルイスの腰についている剣を指差した。

『聖剣』
 驚いたミサキがルイスの方を振り向く。
 目が合ったルイスは困った顔で微笑んだ。
< 88 / 131 >

この作品をシェア

pagetop