甘い顔した君にはもう




「行くかぁ」



借り物競争は次の次だ。


早く早美くんに代役ができるか
確認しないといけない。


足を怪我していることを公にしたくない私は
足を引きずらずに我慢し歩き始める。



そして、早美くんの姿を探している。


次の種目が100m走だから
田辺くんがでるらしいし
応援のために近くにいるかもしれない。


そう考えた私は一直線に予想の場所へ向かう。


ビンゴ。


緊張しているだろう田辺くんと
笑いあっている早美くんの姿。


なんだか顔を見ただけで
怪我が治ってしまいそうだ。



なんて、そんなこと言ってらんない。

早くお願いしないと。



 
< 48 / 54 >

この作品をシェア

pagetop