初恋は苦くて甘いカフェオレの味
「あの、及川くん…」
その先にいる人物の名前を聞いて、ドキッとした。
加速する心臓をなんとか落ち着けようと、私は必死だ。
「私、及川くんが好きなの!お試しでもいいから、私と付き合ってください!」
緊張で、少し震えた女の子の声。
どこかで聞いたことのあるその声に、私はその女子を思い出す。
学年でマドンナ的存在の、相川さんだ。
及川くんに劣らず、その可愛さと聡明さを兼ね備えた彼女も、学年の枠を超えて、人気がある。