初恋は苦くて甘いカフェオレの味
………え…
…今の聞き間違い、だよね?
どうしよう……
ものすごく、泣きたい。
気を抜いたら一気に我慢しているものが溢れてきそうで、私は足音を立てないように階段を引き返す。
もうひと気のなくなった空き教室に駆け込んで、私はかべにずるずるともたれた。
胸が痛くてしょうがない。
及川くんに好きな人がいるって知って、ものすごく悲しい。
声を押し殺して、必死に涙を拭う。
…どうしよう。
私、やっと気づいた。
及川くんを見てドキドキするのも、一緒にいてあんなに楽しいのも、好きな人がいるって知って、こんなに涙が出るのも、
及川くんが好きだからなんだって。