初恋は苦くて甘いカフェオレの味


「だから触らないでっ!」


腕を掴まれて、ぐっと引かれそうになったけど…


「…何してんの、お前ら」


低くて、凍てつきそうなくらい冷たい声。


公園でバスケをしていた帰りなのか、ラフな格好で傘を刺す及川くんが立っていた。


掴まれたままの私の腕をみて、眉間の皺がますます深くなる。


「…触ってんじゃねぇよ」


私と腕を掴む男の人の間に割って入って、ぱっと手を払い除けた。


今までで一番、怒った声のトーンだった。






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