初恋は苦くて甘いカフェオレの味


「あの…ありがとう」


及川くんが振り返ったけど、私は顔を見れなくて目線を落とした。


「……行くぞ」


「えっ、ちょっと待っ!」


及川くんは私に傘を持たせて、自分は雨に濡れながら私の腕を引いて足早に歩き出す。


「あの、傘!」


「……」


ただひたすらに歩き続ける。


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