初恋は苦くて甘いカフェオレの味


もう止められなかった。


「だから、及川くんを好きな気持ちに蓋しなきゃってずっと思ってた。…けど、できなかった。どんどん膨らむばっかりで…」


ぎゅっとスカートの裾をつかむ。


涙がぱらぱらと落ちて、灰色のスカートに小さな水玉模様をえがいていく。


「……お前が好きなのって、後輩の奴なんだろ」


「ま、槙野くんの告白は断ったの」


「自分で言ってただろ、あいつのこと好きだって」


え、私いつそんなこと言ったっけ…


及川くんとのやりとりを思い返してみる。




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