初恋は苦くて甘いカフェオレの味



「おい、こっち見ろ」


「…泣いてひどい顔になってるから、嫌だ」


及川くんの胸に顔をうずめる私。


多分泣き腫らしたせいで目も真っ赤だし…


でも、そんな抵抗はなんの意味も無くて。


顎に手を添えて、半ば無理やり顔を上げられた。


「……っ!」


その瞬間、目を閉じた及川くんがドアップに映って、少しだけ冷たい彼の唇が私の唇に優しく触れた。



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