初恋は苦くて甘いカフェオレの味


少しして、及川くんが唇を離す。


「ふっ。やっぱ面白れー顔」


頬に触れる手が、少しだけくすぐったい。


「そ、それは及川くんが急にキスするからで…っ!」


恥ずかしさで真っ赤になる私にまたキスを落とす及川くん。


さっきよりも深くて、長いキスだった。


「…もう泣かせない。ずっと大切にする。だから、俺のそばにいろよ」


こんな時くらい、もっと素直に言ってくれればいいのに。


及川くんの耳が、真っ赤になっている。



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