初恋は苦くて甘いカフェオレの味
「俺は今呼んだけど?」
意地悪に、でも甘く笑って、及川くんは私のおでこに自分のおでこを合わせた。
「………っ!……び、くん」
「聞こえねーよ」
ぜ、絶対聞こえてたでしょ!
いつもに増して、今日は意地悪だ。
「…みやびく…んっ!」
唐突に塞がれる唇。
さっきからキ、キスしすぎ…!
でも、私はそれが嬉しくて嬉しくて。
唇を離した雅くんと目を合わせて、私はへへっと笑った。
苦い思いで終わると思っていた私の初恋が、とびっきり甘く叶った瞬間だった。