初恋は甘いカフェオレの味


目を凝らして少し近づくと、どこかで見たことあるようなシルエットが浮かぶ。


近づくにつれて、街灯の灯りで照らされたその人が、誰かわかった。


「及川くん」


汗を拭って、及川くんが振り返る。


さらさらとした黒い髪が、風で少し揺れている。


「こんな暗い中で、何してんの?」


「……バスケ。見てわかんだろ」


「…あ、はい…」


わかりきったこと、いちいち聞くなってことね…。




< 32 / 107 >

この作品をシェア

pagetop