初恋は甘いカフェオレの味
「…おやじ食い過ぎ。仕事中だろ」
もぐもぐとクッキーを頬張るマスターをみて、及川くんは呆れた顔をしていた。
「ごめんごめん。ね花坂さんさ、このクッキー僕のお店で売ってみない?」
「……売る?」
「これすごく美味しいし、みんな気に入ってくれると思うんだ。少し試しに売ってみたらどうかな?もちろん売上のお金は全部花坂さんに」
「そ、そんな私のクッキーなんて本当に趣味で作ってるレベルのものですし、そんな物にお金を払っていただくなんてみなさんに悪いです!」
「そうかなあ。僕はいいと思うんだけどなぁ。…ああ、じゃあ無料で出すって言うのは?1日限定数決めて、コーヒーカップの横にちょこっと付けて提供するとか」
私はみんなが美味しいって喜んでくれるだけでいいし、お金なんていらない。
「…少し考えてもいいですか?」