初恋は苦くて甘いカフェオレの味
お皿を洗う手が、一瞬だけ止まった。
けど何ごともなかったように、動作が再開される。
やっぱり、さっきからなんか機嫌悪い。
「及川くん、怒ってる?」
全然目合わせてくれないし、むすっとしてるし。
「…怒ってねーよ」
「…嘘」
いつも無愛想だけど、今日はいつも以上というか。
声だって低い。
「私、何かした?」
「…だから怒ってねーつってんだろ」
「でも」
「お前もう黙れ」
「……っ!」