初恋は甘いカフェオレの味
今までにないくらい、冷たい声だった。
眉を寄せて振り返った及川くんが、はっとしたように我に返る。
なんか、今日の及川くん怖い……
「くそっ…」
及川くんは小さく舌打ちをして、前髪をくしゃっとつかむ。
そのまま、カウンターを出て奥に行ってしまった。
「おまたせーって、あれ、雅は?」
私は雅くんがいなくなった奥の部屋を、じっと見つめていた。
結局私が帰る頃になっても雅くんはカウンターに戻ってこなかった。